モラハラ上司を撃退する対処法5ステップ

モラハラ上司に嫌がらせを受けていると自分が退職すれば解決すると考えがちですが、それは誰にとっても得にはなりません。辞める理由が他にもあるのなら別ですが、人間関係でのトラブルで仕事を辞めても次に同じことが起きることになります。今回はモラハラ上司を撃退する対処法を5段階で紹介しています。他の対人問題、恋愛問題にも参考になると思います。

Step1.己の感情をコントロールする

モラハラ上司を撃退する前に一番大切なことは、自分自身の感情をコントロールできるかどうかになります。感情的になっているときは理性を失っているときでもあります。そんなときにモラハラ上司に反撃しても、必ずあなたは返り討ちになりもっと職場に居づらい状況になるでしょう。

感情的になっている状態では何も良い結果は生まれません。そのため最初の対処法「己の感情をコントロールする」が大切になってきます。この対処法ができないと次の対処法にも進めませんのでご注意ください。少し時間がかかりますが、感情をコントロールできていないときは他のことにも影響を及ぼす可能性がありますので、今は「感情をコントロールすることを学ぶ時期なんだ」と自分に言い聞かせて行ってみてください。

では感情をコントロールする方法を紹介します。

1.深呼吸する

即効性のあるコントロール法です。モラハラ上司から何か嫌なことが起きたとき、怒りや悲しみの感情が湧いてきます。そんなときは、すぐにその場所から離れてトイレに駆け込みましょう。トイレの中でまずは呼吸を整えて落ち着いてから5回深呼吸してください。まずは最初は『息を吐く』からスタートしてください。体の内側に入っている怒りや悲しみの感情を全て吐きだすイメージで行ってください。全て吐き切ってから新鮮な空気を吸ってください。肩や眉間にかかっていた力を抜くように意識してみてください。これを5回繰り返してください。

2.「大丈夫、大丈夫」と自分に声をかける

気持ちが落ち着いたところで、トイレの鏡に映る自分を見ながら「大丈夫、大丈夫」とか「リラックス、リラックス」と自分が安心する言葉で声をかけてみましょう。このとき「頑張ろう」や「元気出そう」と自分を励ます言葉は避けたほうがいいです。

自己暗示ではあるけれど、自分で自分に安心感を与えると自信がついていきます。正直誰かの言葉よりも自分の言葉が一番自信につながっていきます。だからたくさん「大丈夫、大丈夫」と自分に言ってあげてください。自信が付いてくると、自分がなぜこんなにネガティブ感情が湧いてくるのか客観的に見つめることができるようになります。

3.運動をする

一番気軽な運動は散歩です。職場の昼休み時間を利用して少し散歩をして気分転換を図りましょう。散歩は侮ってはいけません。ある距離を一定のリズムで歩くことで頭を空っぽにさせてくれると言われています。また心にも安心感を与えてくれます。仕事の帰り道をすこし長めに歩くこともおススメです。

4.注意事項!愚痴を言わない

仕事のストレスが溜まっているときは、友人や家族に仕事の不満やモラハラ上司の愚痴を言いがちになります。でもそれは自分の感情を話を聴いてくれている人にぶつけているだけに過ぎません。自分の感情をコントロールできていないことになります。

また愚痴や人の悪口のマイナスエネルギーは体の健康を害するエネルギーなので相手の体を傷つけています。絶対に愚痴を言うのはやめましょう。愚痴や不満が出てきそうになったら、すぐに『ありがとう』と口に出しましょう。何度も何度も愚痴と不満が消えるまで言い続ければ、ネガティブ感情に囚われない自分が生まれてきます。

Step2.己を知る

感情をコントロールすることにある程度慣れてきたら、自分の感情と感情にどう反応しているのかを見つめましょう。己を知ることはモラハラ上司を撃退するうえで重要な対処法です。

モラハラ上司の行動から自分の感情はどう反応しているのか、その感情の反応で自分がどう行動しているのか、その行動によって現実の結果がどうなっているのかを、客観的に事実だけを見つめることが大切です。とても難しい作業ですが、これをしなければモラハラ上司を撃退することができないでしょう。

自分に質問をしましょう。

いくつか質問をします。自分の心の内側に問いかけてください。

  1. モラハラ上司の行動を見たり聞いたりすると、自分はいつもどんな感情が湧いてきますか?怒りの感情ですか?悲しい感情ですか?
  2. その時出てきた感情はなんと言っていますか?自分の心の奥をゆっくりと観察してみてください。
  3. その時出てきた感情と同じ感情は、過去にも体験していませんか?あなたの幼少期から学生の時期かもしれません。いつごろでしょうか?
  4. そのとき何か我慢して感情を抑えていたかもしれません。過去の自分の感情はなんと言っていますか?ゆっくりと聞いてみましょう。
  5. ゆっくりと過去の自分の感情を感じたら、その感情は今はどうなっていますか?

過去に何らかの理由で感情を抑える行動をとってしまいました。その時はその行動がベストだったのです。でも感情を抑えれば安心だという知識がついたおかげで、無意識で感情を抑える習慣がついてしまいました。その習慣が今の現実を作り出している可能性があります。

過去の感情は過去のものなので今は安全です。だからその時の感情を今しっかりと見つめてみましょう。

自分の在り方に気づく

昔の感情と向き合い今の感情も受け入れることで、本当の自分はどうありたいのかが見えてくるのではないでしょうか。モラハラ上司の行動にただ我慢して感情を抑えることが最良の方法ではないことに気づいてくるのではないでしょうか。自分がどうありたいのかゆっくりと考えていきましょう。

Step3.相手を知る

孫子の兵法に有名な言葉があります。

『彼を知り己を知れば百戦殆う(あやう)からず、彼を知らず己を知れば百戦一勝一負、彼を知らず己を知らざれば百戦殆し(あやうし)』

敵と味方の実情を知れば、百戦戦っても負けることはない。敵を知らず味方だけを知っているだけでは、百戦戦って勝ったり負けたりする。敵を知らず味方も知らなければ負け続ける、という意味です。なので、勝つためには相手を知る必要があります。モラハラ上司を撃退する大切なポイントがここにあります。

では相手を知るために、モラハラ上司をただの人だと思って観察してみましょう。感情をコントロールして、自分を客観的に見ることができるようになった今なら、モラハラ上司を客観的に見ることができるようになっているはずです。

自分の敵だと思っているモラハラ上司も、実は上からのモラハラを受けている可能性があります。また中間管理職だと一般社員では計り知れないプレッシャーがあり、責任を求められます。プライベートではどうでしょうか。家庭内では自分の居場所が見つからないなど孤独感を持っているかもしれません。職場など外の環境でモラハラ行為をする人は、立場の上の人や自分に意見を言える人には何もしません。自分よりも立場の低い人、従順な人、自分が直接命令できる人にはモラハラをします。こういう行動をとる人の多くは、自尊心が低くなっていることが原因だと思われます。

相手の行動を観察して、自分との考え方や価値観の違いをただ認めてください。否定をする必要はなく、ただ相手はこういう人だと知るだけでいいのです。できるだけ客観的に観察して、モラハラ上司には否定的な視線を送らないように気を付けてください。

相手について知っておくとよいポイント

  • 自分に自信を持っている部分(知的な部分、計算能力、語彙能力など)
  • こだわりの部分(ファッション、眼鏡、時計など)
  • 趣味(旅行、好きな音楽ジャンル、好きな本など)
  • 触れててほしくない話題

相手が何にこだわっているのかを知っておくと、今後の対処法に役立ちますので観察してみてください。意外な趣味が見つかるかもしれません。

Step4.相手と仲良くなる

ここで撃退するための行動を起こします。でも「相手を味方にする」なんて撃退になるの?相手のいう事を聞かないといけないの?モラハラ上司と仲良くするのは嫌だ、と思われてももう少しお待ちください。

モラハラ上司と仲良くする方法は、モラハラ上司のプライドを尊重することです。

プライドとは自尊心のことです。人は誰もが自尊心を持っていて、その自尊心を傷つける人は決して許しません。とくにモラハラをする人は自尊心がとても繊細で傷つきやすくなっているから、弱い人には自分の力を過剰に誇示しようとします。

モラハラ上司の自尊心をくすぐる方法

  • 相手のこだわりポイントについてアドバイスが欲しいと質問する。「センスの良い眼鏡をお持ちの○○さんだったら色んなメーカーをご存知だと思いますが、お勧めのメーカーはありますか?」
  • モラハラ上司が自慢話をしていたら最後まで話を聴く。終わったところで「すごいですねー^^」と返す。
  • 何かを説明するときにモラハラ上司を立てる前置きをする。「○○さんのほうがお詳しいと思いますが、」と最初にワンクッションつける。モラハラ上司は自尊心が刺激され話を最後まで聞かねばならないという心理に追い込まれます。

相手のプライドを尊重して自尊心をくすぐると相手の心のガードがほどけていきます。モラハラ上司は最初は疑いの表情を見せるでしょうが、ただ慣れていないだけなので何度も繰り返し行っていきましょう。この自尊心をくすぐることは人間関係をスムーズにさせる重要な対処法ですので、自分の習慣にしましょう。

Step5.相手が自分と仲良くしたくなる

「Step4.相手と仲良くなる」の時点まで到達すれば上司という存在はあなたの中から消えていることでしょう。そこまでで十分満足であれば終わらせて構いません。あなたはいつでも感情をコントロールする、自分を客観的に見る術を持つ人になったので今後はモラハラを受けることもないでしょう。最後の「ステップ5.相手を自分と仲良くしたくなる」をするかどうかはご自分で選択してくださいね。

では「相手が自分と仲良くしたくなる」方法ですが、モラハラ上司とは一緒にランチや飲み会をするまでになったら、モラハラ上司はあなたに自分の悩み(仕事の愚痴や不満)を話したくなるでしょう。その悩みが出てきた時に共感してください。あなた自身が同じ悩みを味わってきたから自然と共感することができます。

そしてモラハラ上司に自分の気持ちを自分の言葉で伝えます。

例えば、『お気持ちはよくわかりますよ~。私も○○さんの言葉にいつも悩んでいましたから』と冷静に言います。

モラハラ上司はすでにあなたへの警戒心は解けていますので、あなたの言葉はすんなりと心に届くようになっています。自分が受けてきたモラハラを部下に同じことをしてきたことに気づくことでしょう。気づいてくれたらモラハラ上司は自分の行動を見直すことになり、あなたに謝る言葉が出てくるかもしれません。今後は職場でのモラハラが解消するかもしれません。たとえモラハラ上司が気づかなくてもあなたの気持ちを言葉で伝えたということは、あなたにとって心が癒えるのではないでしょうか。少なくとも自分の言葉で伝えた事実は残るのできっと自信がつくはずです。

まとめ

以前書いた記事で「モラハラ上司の5つの特徴&対策チェックリスト」の記事ではモラハラの一般的な対処法を書きました。今回は自分自身の内側に目を向けた対処法を書いてみました。

最後まで読んでいただけたら気づかれたのではないでしょうか。モラハラ上司を撃退する対処法の裏の目的は、自分自身を見つめなおすことだということを。感情をコントロールして客観的に物事を見つめる習慣をつけれたらきっと自分に自信がつくでしょう。

職場にいるモラハラ上司は男性女性関係なく、何かしらの心の傷を抱えているようです。その傷が自己否定させています。モラハラ上司自身の心の傷を治すのは本人の行動しかありませんので、モラハラ被害を受けている側がどうにかする必要はありません。

ですが『類は友を呼ぶ』ということわざがあるようにモラハラ上司が目の前にいることは、自分自身も同類のものがあるということです。そういう状況にあるならば『モラハラ上司を撃退する対処法』を活用して、自分の内側を見直していきませんか。