別居しても離婚の慰謝料は請求できる?慰謝料の相場は?

夫婦の問題で離婚を決意したとき、その後の生活に必要なお金はできるだけ確保することを考えたほうが良いです。長く専業主婦だった場合は収入を得るためには仕事にでなくてはなりませんが、自分ができる仕事がすぐに見つかるとは限りません。また年齢が高くなるにつれて働ける仕事の数も少なくなります。離婚前から慰謝料は自分にも請求できるか知っておくと良いと思います。別居前から慰謝料の相場についても知って、今後に役立てていただけたらと思います。

慰謝料とは?

一般的に慰謝料というと、交通事故や誰から暴力などを受けてそれにより何らかの身体的に被害があった時にもらえるお金と思われがちですが、違います。

慰謝料とは、精神的に損害を受けた時の損害賠償金です。生命、身体、自由、名誉などの侵害に対して、感情や精神が傷つけられたときに受け取ることができるお金です。

明らかに身体に傷つけられたことだけでなく、目では見えない心が傷ついたときでも慰謝料が請求できます。ただし、慰謝料を請求してすべてが認められるとは限りません。その行為が事実であったことを証明しなければなりません。事実が認められれば慰謝料が受け取れるので、事実が証明できる証拠を集めておきましょう。

証拠集めは別居前に集めておくようにしてください。別居後に証拠をつかむために相手の家にこっそり入ることは、自分が元々住んでいた家であっても家宅侵入罪に問われる恐れがあります。

同意があって家に入ったとしても、その時にこっそりと証拠を持ち去ることも窃盗罪になる可能性があります。別居後は家の中にある証拠は集めることができないので、別居前に色々と準備が必要です。

離婚の慰謝料の相場は?どんな証拠が必要?

慰謝料の相場は厳密には決まっていません。夫婦間で金額を決めることができます。夫婦間で金額を決めて解決してもいいですし、その金額に不服なら家庭裁判所に調停を申し立てて、決めることもできます。

また離婚しなくても慰謝料請求はできます。離婚しない場合の慰謝料額は、以下の記載した額よりも下がった値段だと思ってください。

1.DV・モラハラを受けていたとき

DV(ドメスティックバイオレンス)やモラハラ(モラルハラスメント)を受けていた場合は、慰謝料の相場は50万円から500万円と言われています。DVやモラハラを子供にも損害があったとなると、もっと高額になると思います。

DVを受けていたら、暴力を受けた後の体の傷を写真に撮ったり、病院での治療記録や診断書も証拠となります。モラハラは言葉や行動の暴力なのでハッキリ証明できることは難しいですが、相手の言葉を録音したり、相手の行動を記録した日記やメモがあると証拠として扱われます。

こちらの記事が参考になると思いますのでお読みください。⇒「モラハラ離婚のためだけじゃない証拠集めと心の準備」

2.不貞行為があったとき

パートナーが浮気や不倫などと言われる不貞行為をしていた場合の慰謝料の相場は、100万から500万と言われています。パートナーと浮気・不倫されたことにより自殺を図った、うつ病になったなどの肉体的・精神的損害が高くなっていれば、それだけ慰謝料の額は高くなると言われています。

証拠としては浮気・不倫が証明できる写真やメールのやり取り、カード明細のコピーなど、また自分自身が受けた精神的損害を証明するために医療機関の診断書があることです。本人が浮気や不倫を認めていたなら、認めたことを証明する念書を書いておくと良いです。

3.悪意の遺棄があったとき

「悪意の遺棄」とは簡単に言うと、配偶者や家族を「放っておく」ことです。民法では1)夫婦は一緒に暮らす(同居義務)、2)家計は共通にして助け合って家族を養う(扶助協力義務)が定められています。それに違反しているときは慰謝料が請求できます。慰謝料の相場は、50万から300万と言われています。

こんなケースが悪意の遺棄に該当します。

  • 生活費を入れない・仕事をしないとき
  • 専業主婦(夫)が家事をしないとき
  • 健康で働く能力があるのにも関わらず働かないとき
  • ギャンブルにはまって借金をしているとき
  • 正当な理由なく勝手に別居・家出をするとき(仕事や親の介護のために別居などは正当な理由になる)
  • 配偶者を家から追い出して、家に入れてくれないとき
  • 浮気相手の家に行ってばかりで帰ってこないとき
  • 生活費は入れるけれど、浮気相手の家で生活しているとき
  • 姑との折り合いが悪くて実家に帰ったままであるとき
  • 夫婦共働きで拘束時間が同じなのに、どちらか一方が家事・育児に協力しないとき
  • 単身赴任している夫が妻子に生活費を送らないとき

悪意の遺棄に該当しない場合もあります。

  • 単身赴任の別居
  • 配偶者の暴力や浮気に耐えかねての別居(別居前に配偶者に伝えることが必要)
  • 夫婦関係を改善するための別居(お互いの同意がある場合)
  • 子供の教育上で必要だと判断し別居した場合
  • 病気治療のための別居

悪意の遺棄があったことを証明するには、いつから生活費を入れなくなったか、いつから別居が始まったのか明確な時期やどんな損害があったのかが分かる証拠が必要です。日記でも証拠として扱われますから、時期やその時の気持ちを書いておくと良いです。

4.セックスレス

性行為の拒否(セックスレス)は離婚理由になるくらい夫婦間のナイーブな問題です。拒否された側の傷つき

も深いものがあります。セックスレスの慰謝料の相場は、0円から100万円と言われています。セックスレスの期間や状況によって変わります。慰謝料が100万円以上になったケースもありますので弁護士に相談すると良いかもしれません。

性行為が1か月以上なかった場合はセックスレスとして判断されます。セックスレスの慰謝料として請求するには半年から1年以上のセックスレス期間が必要と言われています。ただ夫婦お互いで性行為する意思がないのならセックスレスにはなりません。夫婦のどちらか一方が「セックスをしたい」と言っているのに、もう一方が「セックスを拒否」している場合が該当します。

また夫婦の一方が健康面身体面で問題があり、セックスしたいけれどもできないという場合もあります。このような事情がある相手に対して一方的に離婚を請求することはできません。

セックスレスの証拠としては、いつから性行為をしていないか。セックスを求めたけれど拒否されたことが分かる日付と回数が記録されているといいそうです。日記や手帳に書き留めておくと良いです。

5.その他

不貞行為の慰謝料は配偶者だけでなく、浮気または不倫相手にも請求することができます。この時は浮気相手が配偶者のことを既婚者だと知らなかったり、独身だとだまされていたときは、慰謝料を請求することはできません。

浮気相手が既婚者であることを知っていた場合は、不貞行為の加担者になるので慰謝料を請求するできます。不貞行為があっても離婚することはしないけれど、慰謝料は請求することはできます。

もし慰謝料を100万円請求したときに、パートナーが100万円を支払ったら、浮気相手からは受け取れません。パートナーが60万円支払ったら、浮気相手からは残りの40万円を支払うことになります。

慰謝料のことについて沢山調べてきましたが、細かい部分については専門家の弁護士に相談するとよいです。

まとめ

離婚時の慰謝料や慰謝料の相場についてはいかがでしたでしょうか?

別居する前に色々と証拠を集めておくこと以外にも、日記や手帳に夫婦や家族のことを記録しておくと離婚するときに役立つと思います。

離婚について話し合うときにもしかしたら「離婚は認める代わりに慰謝料請求しない」という念書を書かされるかもしれません。慰謝料を求めて相手と関わり続けるよりも早く離婚をして縁を切りたい場合なら、慰謝料諦めることも一つの手です。

離婚後の生活を安定させるために少しでもお金を得ることは少しも悪いことではありません。離婚までに色々と精神的に傷ついたり、疲労がたまったりします。慰謝料で自分を癒すために慰謝料を請求することは正当な権利なので、堂々と慰謝料をいただいてください。

傷ついた心を持つ方が元気になれるために応援しています。

こちらの記事も参考になると思いますのでお読みください。⇒「知って得する!?モラハラ離婚に必要な弁護士費用」

最後までお読みいただきありがとうございました。