職場いじめはハラスメント!!ハラスメント事例別に見ると分かる身近で起きやすいいじめの現状

職場で起きるいじめはある日突然におきます。いじめの被害者はその理由や原因は何であるのかわからないことが多いです。またいじめている相手は自分自身がいじめの加害者になっているとは気づいていないことが多いです。もちろん十分に悪意を持って明らかにいじめていると分かっている人もいますが、そうでない人もいます。それは自分の行動が相手の気分を悪くさせていると知らないからです。どんな行動が職場いじめになるのか事例をあげてご紹介します。また会社ではどんないじめ対策が行われているのかご紹介します。

いじめはハラスメント

ハラスメント(Harassmennt)とは、『様々な場面での「嫌がらせ・いじめ」を言います。その種類は様々ですが、他者に対する発言や行動等が本人の意図に関係なく、相手を不快にさせたり、尊厳を傷つけたり、不利益を与えたり、脅威を与えること』を指します。

また職場のいじめで多いのがパワーハラスメント(パワハラ)ですが、パワハラの定義は何でしょうか。厚生労働省が作る「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議・ワーキンググループでは、パワハラの定義は以下のようになっています。

職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務上の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為を言う。

職場内の優位性は、上司から部下に行われるものだけでなく、先輩後輩間や同僚間、さらには部下から上司に対して、様々な優位性を背景に行われるものも含まれる。

パワハラは、上司や先輩から部下や後輩に対するいじめや嫌がらせがパワハラだと思われているのですが、同僚間や部下や後輩から上司や先輩に対するいじめや嫌がらせもパワハラであるということです。

職場いじめの事例別ハラスメント

職場のいじめには様々な事例があります。その内容によってハラスメントは異なります。

1.パワーハラスメント(パワハラ)

パワー・ハラスメントは職場のいじめの中で最も多いハラスメントです。具体例としては以下のものがあります。

  1. 書類や本などを投げたり、頭や体をたたく
  2. 転勤を断ったら、仕事を与えず小部屋に隔離する
  3. 業務命令はいつも怒声
  4. ミスを皆の前で大声で怒鳴る。人格を否定する言葉を言われる
  5. 恋人の有無や結婚を強く勧める

職場のいじめと言うと大人同士で考えますが、これが学校という職場だったらどうでしょうか。先生が生徒を本で叩いたり、テストの点数の良し悪しで生徒を差別することは学校でもよく聞く話です。

2.モラルハラスメント

モラルハラスメントの定義は、言葉や態度、身振りや文書などによって、相手の人格や尊厳を傷つけたり、肉体的または精神的に傷を負わせること。職場のモラハラはパワハラの一部に入るけれど、仕事関係ではなく夫婦や恋人、友人などのプライベートの人間関係でも起きるいじめ、嫌がらせはモラルハラスメントになります。

モラルハラスメントの具体例としては以下のものがあります。

  1. 無視
  2. 仕事を回さない
  3. 孤立させる
  4. 会議や飲み会のスケジュールを知らせない
  5. 容姿や学歴についての侮辱する発言

3.セクシャルハラスメント(セクハラ)

セクシャルハラスメントの定義は、性的な発言や行動をすることです。多くの事例は男性が女性に対して行われていますが、少数ですが女性が男性に対しても性的な嫌がらせをする事例もあります。また同性同士であっても性的な発言で精神的に苦痛を与えるものはセクシャルハラスメントに該当します。

セクシャルハラスメントの具体例として以下のようなものがあります。

  1. 事業主の男性が従業員の女性に性交渉を要求したが拒否したため、女性従業員を解雇した
  2. 職場の飲み会の席で男性上司が部下の女性の胸や太ももを触って女性が抗議したことで、女性の業績評価が低く評価した。
  3. 女性から抗議が出ているのに職場で使っているパソコンのスクリーンセーバーにヌード画像を使用している。
  4. 女性の同僚からいつも「○○君は臭いから近づかないで」等と言われて精神的に苦痛になっている。
  5. 職場でいつも顔を合わせるたびに性的な冗談を言ったり、容姿や身体に関することを聞いてくる。

4.マタニティハラスメント(マタハラ)

マタニティハラスメントとは、就業中の女性が妊娠・出産・子育てなどをきっかけに職場で精神的または肉体的ないじめや嫌がらせを受けて、退職に追い込まれたり解雇されることをいいます。また夫の立場の男性も子育てのために業務量を制限したり、育児休暇を取ったりすると職場で嫌がらせを受けたりするので、それもマタハラに含まれます。

マタニティハラスメントの具体例として、

  1. 上司に妊娠を報告し育児休業の申請したら、「今は育休を取れる状況じゃない」と言われた
  2. 育児時間を取って早く退社すると、同僚から嫌味を言われる。
  3. 悪阻がひどいのに上司から「妊娠は病気ではないから甘えるな」と言われた。
  4. 子どもの2人目が欲しいけれど上司は「職員が少ないから1年は妊娠するな」と周囲に公言している。
  5. 育休明けの職場復帰のための相談しに会社に行ったら、遠まわしに自主退職を勧められた。

妊娠・出産・育児を理由として降格や不利益取り扱いを受けることは男女雇用均等法9条に反しているので違法です。原則的には降格や解雇などは無効ですが、例外もあるので会社とのトラブルが起きたら、専門家や弁護士に相談するとよいと思います。

会社主体で職場のいじめ・ハラスメント対策することが「働きやすい職場」になる

職場のいじめが原因で若くて有望な人が退職することは、会社にとっては大きな損失です。そのため最近は多くの会社では職場のいじめ・ハラスメント対策を積極的に行うようになっています。3つの事例でそのハラスメント対策を紹介します。

1.いじめやハラスメントの相談ができるリーダーの育成

A社では昔から人権啓発活動に力を入れているそうで、その理由は「グループの人権課題は円滑なコミュニケーションに尽きる」という見解のもとで、会社内で「人権の尊重」と「元気の出る職場づくり」という目標で啓もう活動が行われています。

こちらの会社では人権啓発推進リーダー制度が作られていて、現場にリーダーがいてハラスメントの相談を受け付けるだけでなく、悩みがありそうな社員に声をかけたりして、職場で起きる問題を早期発見し解決するように努めているとのことです。このリーダーは役職は関係なく社員ならだれでもなることができて、1年間の研修で人権やコミュニケーションについて学んでリーダーとしての任務に就きます。なので悩みを気軽に相談できて、専門的にアドバイスもしてくれる人がいることはとても安心して働くことができる職場だと思います。

職場のいじめやハラスメントで悩んでいる人は中々相談することができません。会社は自ら職場でいじめやハラスメントが起きていないか観察することが大切だとおもいます。

2.就業規則にハラスメント禁止規定を盛り込む

B社ではハラスメント対策としてまず取り組んだことは、就業規則にハラスメント全般の禁止規則を盛り込んだことです。そして全社員に周知徹底を図るために、弁護士や労働基準協会などから講師を依頼して研修を行ったことです。

研修は1回だけでなく継続的に行うことをしてきました。1回だけの研修だけでは時間の経過と共に意識が薄まるため、毎年研修を実施して役員から非常勤職員まで常にハラスメントに対する意識を高めるように努めています。

就業規則にハラスメント禁止規則を盛り込むと、社員は就業規則を守る義務がありますので、職場のいじめやハラスメントが起こらない種を蒔くことになります。種を蒔いた後はそれを会社全体で育てていくことが大切になります。

3.自己のコミュニケーションスキルを引き上げる

会社で行うハラスメント対策研修だけでなく、ポケットガイドブックを活用して職員が常にハラスメントを意識して、自分がハラスメントを行っていないかをチェックします。

またポケットガイドブックには上司と部下や同僚とのコミュニケーション能力をあげるポイントも紹介されています。

上司は職場内で以下のような意識を持っているか自己チェックをします。

  • 指導や注意は「事柄」を中心に行っているか(人格を否定していない)
  • 自分のやり方を押し付けていないか
  • 部下の立場や尊厳を尊重しているか
  • 過剰な要求をしていないか
  • 部下の能力を引き上げるために普段から努力しているか など

部下の立場からも上司とのコミュニケーション方法について自己チェックします。

  • 普段から仕事の進め方について疑問があれば上司に適切に伝えているか
  • 𠮟責された理由が何であるか(自分の成長のために𠮟責されたか)を考えてみる
  • 普段の勤務態度、仕事への取組み方について問題がないか

職場のいじめやハラスメントは自分の行動を振り返らないことに問題があると思います。普段からお互いの立場で自らの行動を省みることはとても重要です。

これは職場の中だけでなく、プライベートの時間の夫婦の関係や親子の関係でも同じですので、ただ相手を責めるだけでなく自分自身の行動を省みることをお勧めします。

まとめ

職場のいじめやハラスメントの事例を紹介してまいりましたが、いかがでしたでしょうか?

職場のいじめ・ハラスメントは様々な形で現れます。自分がいじめやハラスメントの被害者になるかもしれませんし、加害者になるかもしれません。

色んな人が働く職場では、相手の立場や尊重し自分自身の行動を客観的に確認しながら動くことが大切になります。

一人一人がいじめやハラスメントを意識し続けて行動することが、職場を元気にして働きやすくなる秘訣ではないでしょうか。

こちらの記事も読まれています。⇒「モラハラ上司の5つの特徴&対策チェックポイント」

最後までお読みいただきありがとうございました。